創作入門No.0 「創作方法」

うわーっ、忘れてた!
詰将棋の創作入門なら当然まず創作方法から始めるじゃないですか!
俺バカだーっ!てことで急遽3種類の創作方法を載せます!
最初の上に突然なので、記事は短めになりますがご了承ください。

①正算法
1番目は「正算法」、初形から収束まで真直ぐに創作する方法のことを言います。
基本的にこの創作方法で創るものは初形趣向や持ち駒趣向、曲詰の象形型などを創作するときに用います。
初形を定めて手順を作成、最後に検討と言った流れですね。
これが基本に見えますが、実はこの方法は余り使われません。
その理由は後ほどで。

②逆算法
はい、これが一番基本的な方法「逆算法」です。
わざわざ説明しなくてもお分かりになると思いますが、初めに収束を考え定めてそれから初形まで手順と逆の順番に創作していくやり方です。
収束は大体パターンが決まっているので図抜けた作品は作りにくいですが、やはり終わりよければ全てよしという風に安定感のある作品を作りやすいですね。
収束を定めて手順を作成、最後に検討という流れです。

なぜ正算法ではなく逆算法が基本なのか、やはり一番の理由は「創りやすさ」でしょう。
例えば何でもいいので詰将棋の初手と最終手を考えてみてください。
初手は最終手まで長いく、もちろん様々な紛れに枝分かれしていて簡単には解りません。
ところが最終手はあと1手で詰みなので、すぐに解ります。1手詰を解くのと同じです。
ここが創作しやすさの違いです。
収束から創作していくと手順を創るのが簡単なので、割と早くできることが多いのです。
他の理由を挙げると、収束は手を伸ばしにくいですが初形はいくらでも伸ばすことが出来ます。
ですが収束は先程も言ったようにパターンが決まっているので伸ばしようがありません。
他にも様々な理由で逆算のほうが創りやすいです。
創作を始める方はまずこの方法で試してみてください。
さて、最後は少し変わった創作方法「構想法」についてお話します。

③構想法
構想とは詰将棋における狙いや趣向のこと、つまり構想法とは初めに狙いを決めてその狙いを実現できる図面を作成し、そこから正算と逆算をしていく創作方法です。
これはそもそもどのような狙いが評価されるのかをある程度知る必要がある上に、それを余詰無しに実現する力がないと創作できないため上級者向けです。
ですがやはり詰将棋には最低1つの狙いを定めたほうが、評価も高くなるし達成感も感じます。その点でこの創作方法はすごく便利なものといえるでしょう。創作に慣れてきたらこの方法を試すことをお薦めします。

この3つが創作方法のメインです。
初めて創作をされる方はまず逆算法で創作に慣れてきたら構想法、象形やつい解きたくなる好形作品を創りたくなったら正算法という感じがいいのではないでしょうか。

唐突に創った創作入門No.0「創作方法」、いかがだったでしょうか。
創作見本を載せられなくて申し訳ありません。。。
まだ創作経験がない方がこれを見て創作してみようとお思いになれば、これに勝る喜びはありません。(^^)

創作入門No.2 「合駒」

はい、創作入門の2回目「合駒」について説明します。
ちなみに管理人は少し後悔しています…
いくら自分が好きな構想だからといって、入門でいきなり合駒を説明するのはちょっとアレですよね…
ま、まあ気にせず行きましょう!(焦)
ところで、表紙採用が決まって図に乗っているわけではありませんのでご注意を。(^^;

まずは合駒の概要について。
合駒とは飛・角・香を玉から1間以上遠ざけて打ったときに、玉方がその利きを止めるために打つまたは移動させることを言います。
合駒を詰め将棋に組み込むことによって、変化に厚みを加えるとともに様々な趣向を表現できます。
それでは次のA図を見てください。
2012-02-21a.png
合駒の入門用作品です。
それでは考えて見ましょう。
まずは初手、14歩は打歩詰となるので33龍が妥当でしょう。
ちなみにこの局面、もし龍がいなければ14歩による打歩詰が解消されるので「14歩 23玉 15桂」までの3手詰となるのです。
つまりここでの34龍はいわゆる「邪魔駒」ということになり、この詰将棋ではこの龍を消すことを目的にすすめていきます。
さて、初手33龍に対しここで玉方は合駒をするしかありませんが、何を打つまたは移動させるかがポイントとなります。
仮に23香合としてみましょう。
14歩は依然として打てませんが、22龍と龍を上げると…
2012-02-21b.png
ここで玉は逃げ場所がありません。
つまりこの局面は「詰み」となります。
ここで決して早とちりして「33龍 23香 22龍 迄3手詰」などとしてはいけません。
玉方にはもう少し手数を長くする応手が残っているからです。
そこで今度は33龍に対し23金合としてみましょう。
ここで同様にに22龍と上げると…
2012-02-21c.png
もうおわかりですね。
そう、今度は「22同金」という応手がありこの局面が「詰み」ではなくなってしまいました。
つまりこの「23金合」という合駒によって、詰手数が3手ではなくなってしまったのです。
よって初手33龍に対する玉方の合駒は22に利かすことの出来る駒、つまり「下に下げることが出来る駒」を打たないといけないと言うわけです。
ここである一つの疑問が浮かびます。
「下に下げることが出来る駒」なら飛車もあるけど?ということです。
確かにこの23金合では「23飛合」という手でも22龍までの3手詰を阻止できます。
ではどちらの合駒でもいいのかというと…違います。
ただ、この局面のみでどちらが正解かを判断するのは不可能ですのでこの2通りの合駒を頭に入れつつ、とりあえず金合として解図を進めていきましょう。
ここで龍の消去に成功したため、晴れて14歩が打てるようになりました。
以下、23玉に15桂までの詰みとなります。
2012-02-21d.png
とりあえず「詰み」の局面となったので、変化の確認のためにここで2手目23飛合とした場合を考えます。
根本的な手順は変わらないので、ここでの22金を22飛に差し替えてみましょう。
この局面でも15桂と打って「詰み」となることには変わりないのですが、33香成としてみると…
2012-02-21f.png
今度は詰みは詰みでも、持ち駒に桂が余ってしまいました。
これでは「詰将棋の作意手順には持駒が余ってはいけない」という詰将棋の基本的なルールに即していませんね。
つまり2手目23飛合は7手目33香成まで同手数駒余りとなるので不正解、2手目は23金合のいわゆる「限定合」となり15桂まで7手詰となるわけです。

正解手順-33龍 23金合 22龍 同金 14歩 32玉 15桂 迄7手詰


これでスッキリ詰みました。
今回は合駒についてお話していますが、この詰将棋での評価点こそ2手目~4手目の限定合→合駒移動なのです。
最近の短編詰将棋の傾向として、普通の捨て駒が基本すぎて評価されにくくなったのに対し限定合、特に出来る限り利きの強い合駒(飛車や金など)が出てくると評価を受けることが出来ます。
ちなみに任意の局面での合駒が複数通りあったとしてその内正解となる合駒が2通り以上ある場合、その合駒を「非限定合」と呼び詰将棋の評価を格段に下げてしまうので合駒関連の詰将棋を創る際にはご注意を。
合駒移動は合駒の延長線で、普通の合駒以上に高い評価を受けます。
合駒移動を入れて損することは滅多にないので入るならドンドン入れましょう。
また、合駒は出現したまま動かず詰みあがると何となく消化不良な感じがするので、取るなり移動させるなり何らかの形で動かせることがコツです。

今度は合駒を奪取、使用する例を考えてみましょう。
B図をご覧ください。
2012-02-21g.png
桂が4枚並ぶ奇妙な初形ですが、もちろん存在意義があります。ここの意味については後ほど。
もちろん初手は13香の1手、これに対する合駒がこの問題の主題です。
ところがこの問題はA図と違い2手目は合駒を取るしかなく、合駒が玉方の守りに関わってくる事がないのです。
つまり合駒が攻方の持ち駒に加わったときに、最長手数となるような駒を考えればいいのです。
ここで仮に合駒を香車としてみましょう。
12香合に対しもちろん取るしかなく、同香成 同玉。
ここで13香と打つと…
2012-02-21h.png
玉に逃げ場がないので「詰み」となりますね。
ではこれが正解かというと、もちろん違います。
玉方の合駒には更に長手数で詰ませる駒があるからです。
銀合や金合はもう2手長い7手詰となりますが、これも不正解です。
前に進む駒は早く詰んでしまうので、今度は桂合を考えてみましょう。
12桂合、確かにこの合駒では詰みません。でもちょっと待ってください。
将棋の駒は玉飛角が2枚ずつ、金銀桂香が4枚ずつ、歩が18枚の計40枚で構成されていますよね。
ここで盤面をよく見てください。
23桂、24桂、25桂、26桂と桂が合計4枚使われています。
つまり玉方の持ち駒に桂はなく、桂合が出来ないという仕掛けになっているのです。
2筋の駒が全て桂になっている理由はこの合駒制限だったのです。
基本的に合駒制限は、この詰将棋における26桂のように無駄に使用駒数が増えたり盤面に違和感を感じるようになるので短編詰将棋などでは評価を下げることがありますが、非常に便利な技術で様々な局面で使われるので出来る限り無理なく配置するのがコツとなります。
ちなみに15歩も2手目12歩合を二歩で防いでいるため、合駒制限の一つとなります。こちらはほとんどの場合特に違和感を感じることもないので、評価を下げることはありません。
さて、桂合が不可能と気づいた場面でもう残る合駒は角合しかなくなります。
2012-02-21i.png
ここで同香成 同玉に13桂成 同玉と成り捨ててから「大駒は離して打て」の31角 12玉 22角成までの9手詰となるわけです。
2012-02-21j.png
正解手順-13香 12角 同香成 同玉 13桂成 同玉 31角 12玉 22角成 迄9手詰


うまく詰みました。
ここでの22角合のように、角や桂といった前に進めない駒の合駒は割と当たり前なので評価はあまり伸びませんが、これも例えば正解の合駒以外の変化が難しかったり意外性のある合駒だったり工夫次第でいくらでも評価点は伸びるので、詰将棋を創るときに是非いろいろ試行錯誤を繰り返してみてください。

合駒の応用技術は他にも移動合や中合などいろいろありますが、この2つについてはまたいつかお話します。
限定合をする主な理由は、主に次の2つが挙げられます。
①後の展開に備え駒の利きを増やす。
②合駒をとられるとき、最長手数となるようにする。
A図は上の①を利用したもの、B図は②を利用したものですね。
もちろん限定合の理由は他にもたくさんありますが、無理に多くのことを一度に覚えても混乱するだけですのでこの2つを常に考えて創作すればきっと好作になるはずです!
それでは今回のまとめを。

①限定合が何らかの形で動くと高い評価になりやすい。
②限定合の種類を覚える。
③最終手前をのぞき、非限定合は出来るだけ避ける。

こんなところでしょうか。
前回の捨て駒に続き「合駒」という曖昧なタイトルで内容も極薄いものになってしまったかも知れませんが、僕の好きな構想が合駒なので今回はかなり力を込めて書いたつもりです。
この記事をきっかけに会い駒作品を創作する方がいればそれに勝る喜びはありません。
次回は「不完全作・キズ」について説明します。だいぶ雰囲気が変わると思いますが気にしないでください…
次回をお楽しみに!(^^)

創作入門No.1 「捨て駒」

今回から創作入門というのを初めて行きたいと思います。
「入選回数1回のクセにぶってんじゃねーよw」なんて言わないでください。。。(泣)
最初は誰でも説明できるような簡単な分野から始めていきますので…

では初回と言うことで、やはり詰将棋の基本中の基本「捨て駒」を説明したいと思います。
次の図をご覧ください。


これは「21飛成 同玉 22金」までの3手詰ですね。
2手目13玉は24金までです。
初手22金だと13玉と逃げられるし、42飛成には23玉と逃げられます。
ここで飛車を21に成り捨てるのが好手で、取って22金までとなっています。
ここでの「21飛成」は、飛車をただで玉方に渡していることになりますよね?
これを「捨て駒」と呼びます。
もちろんこれは詰将棋におけるプラス評価の手筋となります。
なぜなら詰将棋とは基本的に、実践ではまず出て来ないような手順などが評価するポイントになるからです。
中編詰将棋の収束などでこういう大駒捨てが出てくると、「最後にバッチリ決めた」感が出て間違いなく評価は上がるでしょう。
ただこういう捨て駒は実践でもそんなに珍しくなく、基本的にこの手のものは手順の難解さより感覚の良さとして評価するので、主眼の手にはなりにくいですね。
では主眼・狙いの1手に成り得る捨て駒の例を挙げてみましょう。
次の図をご覧ください。


こちらは初手の強烈さをイメージし、創作したものです。
答えがわかりましたか?
正解は「21馬!同金 33金」まで3手詰です。
2手目同玉は22角成まで駒余りです。
一見22の金がただなので、指将棋ではつい「22馬」としてしまう所ですが、それでは43玉 53金 34玉で捕まりません。
ここであえて玉でも金でもとれる場所に捨てる21馬が「焦点の捨て駒」の妙手で、即詰みとなります。
詰将棋の経験が豊富な方には、正直この手はいわゆる「ひと目」という奴でしょうが、それでもこの手は「取れる金を取らず、わざわざ空捨てさせる」という付加価値もあり、自然とインパクトが強い1手になります。
捨て駒は、捨てる駒を“玉方が取れる駒”が多ければ多いほど変化に厚みが増すので、評価が高くなります。
今度は捨て駒の種類について説明しましょう。
とはいっても捨て駒の種類については本当に数え切れないほど詰将棋の手筋には存在するので、その中でも特に知られているものを出来る限り細かく分けて紹介します。

①玉を誘導させる
②玉方の駒の利きを弱める
③玉方の駒を移動させて、攻方の駒の利きを強める
④攻方の駒を消して、攻方の駒の利きを強める
⑤玉方の駒を移動させて、空間を作る
⑥攻方の駒を消して、空間を作る
⑦玉の逃げ道を封鎖する
⑧質駒を作る
⑨打歩詰打開で、あえて玉方の駒の利きを強める
⑩打歩詰打開で、あえて玉方の駒を移動させて攻方の駒の利きを弱める
⑪打歩詰打開で、あえて攻方の駒を消して攻方の駒の利きを弱める

④・⑥・⑪は俗に言う「邪魔駒消去」です。
重要度で分けると
①②>⑦>③④⑤⑥>⑧>⑨⑩⑪
くらいでしょうか。
創作をする場合は重要度が低ければ低いほど評価は上がりますが、あくまで目安ですので気にしないでください。
条件がややこしいのもあるので、質問やその捨て駒を使った例題の出題などについては、コメントで承ります。
ざっと上げられるだけでもこれくらいありますが、まだまだ捨て駒を語ったとはとてもいえません。
もう少し規模を大きくすればさらに驚く捨て駒がまだまだありますので、もし興味をお持ちなら研究されてみてはいかがでしょうか?

創作入門初回、いかがだったでしょうか?
元々これは一時詰パラでも連載されていたものと内容から題名に至るまでほぼ同一なので、パクリ企画といわれるかもしれないですが、そこは無視という方向でよろしくお願いします。。。
次回は「合駒」について解説していくつもりですので、お楽しみに!(^^)
プロフィール

Author:宮原航
初めまして、2012年から高校生の15歳、このブログの管理人の宮原航と申します。

詰将棋を知って約2年の若造ですが、詰将棋に対する情熱は人一倍持っていると自負しているつもりです!

詰将棋ウィークリー
詰パラで大活躍中の若手筆頭作家、鈴川優希さんが運営する「my cube」との連携出題を行っています。
それぞれのブログが隔週で出題するという形で、出題から約2週間で解答発表となります。

名作解説
受賞作や各作家の代表作を紹介、解説するコーナーです。
自分が好きな作品であるほど細かい解説をするという情けないものですが、ご勘弁を…

まだまだ詰将棋界に入りたての僕ですが、今後とも宮原航ならびに「81puzzler」をよろしくお願い致します!^^

管理人:宮原航
平成8年生まれ 15歳
京都市西京区 在住
中学1年3学期に将棋部に入部、熱中
中学2年2学期に詰将棋に興味を持ち創作を始める
中学3年1学期から将棋世界への投稿を始める
中学3年2学期から詰パラへの投稿を始める
2011年10月に将棋世界初入選
2012年3月に詰将棋パラダイス初入選

管理人への連絡は下のメールフォームからお願いします。

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